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タイムカプセル 30年前の私からの手紙

私が小学校4年生の時、小学校が創立120周年でした。

そこで、30年後の150周年の時にみんなで集まって、

タイムカプセルを開封しようというイベントがありました。

当時、私は10歳です。

30年後の未来が想像できますか?

私は遠い遠い未来の様でまるで違う次元の様で、

生きているのかもわかない。果てしない先のことの様に思っていました。

10歳から見た40歳、どんな思いでみんな折々にタイムカプセルを埋めたのでしょう。

タイムカプセルは、1つの封筒に自分の宛名と住所と切手を貼って全校生徒が思い思いの

何かや30年後の自分への手紙を入れて埋めました。

切手が62円なのが、30年前ですよね。

インフレを考慮して100円の切手代を貼っても良かったのではと思いました。

その全員の手紙をタイムカプセルに入れて校庭の中庭に埋めました。

30年の間一度も開封される事なく、そしてずっと同じ場所にあり続けてくれました。

その30年の間、当時小学生だった私たちは小学校を卒業し、

中学生、高校生になり大学へ進学する学生や社会人になりました。

その後は結婚してそれぞれの家庭を持って子どもを育てるお母さんやお父さんになったり、

それぞれの暮らしや家庭を持ったりとステージが変わっていきました。

みんな同じ様に30年という時が経ち、きっとそれぞれ色々な出来事があり、

当時、小学生だった私たちは38歳から43歳になりました。

この開封イベントは卒業名簿を頼りに全員にタイムカプセル開封イベントが

行われるお知らせのハガキを実行委員会から差し出していました。

しかし、その多くの半分以上のハガキが宛先不明で返ってきてしまったとのことでした。

30年後、同じ場所に同じく住んでいる事が半数以上いないという事です。

逆に変わらず30年間同じ場所で元気に暮らしているということは、

何も変わっていない様に思うかもしれないけど、

変わらないこともある意味凄い事なのではと思ってしまいました。

私の実家は30年前から今も同じ場所にあります。

30年後の今、家族みんなが元気で過ごしている事は

本当にかけがえのない事だと改めて幸せだと感じました。

今年2023年があの時から30年、

どれくらいの人がこの開封イベントに集まったかというと、

当時およそ全校生徒数が600人前後だったと思われます。

しかし、今回イベントに集まった人数は50人にくらいとその家族だけでした。

こうやって30年後にまたこれだけの人数でも再会できただけでも奇跡のようです。

私の小学生から今でも親友の友達が1人います。

その友達に声をかけたのですが、仕事という事でこの開封イベントには母と行きました。

当日は朝、9時半からのイベントで懐かしい校舎を見て、

あー30年前と変わらない。また、ここに戻ってこれたんだなと安堵した気持ちでした。

小学校の広い校庭は大きくなった身体には当時より狭く感じ、

現在の全校生徒たちがこの開封イベントを一緒にお祝いしてくれる、

バルーンの打ち上げイベントもありました。

当時の生徒たちは受付で名札をかき、見えるところ貼ってください。

という指示がありました。

これは大変ありがたくて、30年も経つと顔だって変わって、

会っても気づかない可能性さえあります。

私は各々付けている名札をちらりと見ては、誰だろ?時にはあっ隣のクラスにいた人かも!

などと、思いながらも当時仲良くあった人は声かけられたりしますが、

こちらから声をかけていいものやらと気をもんでいました。

校庭で在校生によるバルーンの打ち上げがあり、

その後体育館で、開封した手紙を仕分けして渡していく作業となりました。

そこで、学年毎に集まったときに、見慣れた名前の名札をつけている友達を見つけました。

当時、仲の良かった友達でした。

まさか、このイベントに来ているとは思わず、お互いびっくりし、

最近はどうしている?結婚は?仕事は?などと少し立ち話をしました。

その友達は成績がよく、小学校卒業後は私立の中学に行ったので、

小学生以来会えなかった友達でした。

友達は全く変わらず、そのまま30年後にタイムスリップしたような顔立ちと話し方で

少しの時間でも話せて嬉しかったです。

さて、開封されたその中身、小学生の私から今の私へ何を伝えたかったのでしょうか?

そして、その中に何が入っていたでしょうか。

こちらが30年前に埋めた私のタイムカプセルの中身でした。

・自分への手紙

・書き初め

・金賞を取った硬筆

・自分の当時の写真となぜか父親が学生の頃の写真

・当時好きだっったちびまる子ちゃんのカード

・母からの手紙

この開封物を見て見覚えあるものとそうでないものがありましたが、

一番びっくりしたのは、母からの手紙でした。

母が私たち子どもにそれぞれの手紙を入れていました。

その手紙が30年前のその一日を切り取ったその日の出来事が書かれていました。

思わず、それを読んで涙が溢れ止りませんでした。

たった1日を描いた手紙だったけど、

それは30年後の今は決して思い出せるようなものではないけど、

その1日の日常がどれだけ尊く幸せであったかを思い起こさせてれる手紙でした。